はじめに
- UNIQUE関数はGoogleスプレッドシートで重複するデータを排除し、ユニークな値のみを抽出する関数です。
- この関数を使いこなせるようになると、大量のデータから重複を除去してデータ分析を行いやすくなるなど、作業の効率化が図れます。
関数の概要と一般的な使い方の例
- UNIQUE関数はUNIQUE(範囲, [行で処理], [重複なし])という形式で使用します。最もシンプルな使い方では、範囲を指定するだけでその範囲内の重複する値を除外したリストを生成します。
- 例えば、A1:A10の範囲にあるデータから重複を除去して一覧を作りたい場合は、=UNIQUE(A1:A10)と入力します。
- 実行結果として、指定した範囲内の重複する値を除外したユニークな値のリストが新たにスプレッドシート上に表示されます。
なぜこの関数を学ぶのか?
- データ分析やデータ整理の際に、重複したデータは分析結果を歪める原因になります。UNIQUE関数を使えば、これらの重複を手早く除去し、正確な分析を行うことが可能です。
- 例えば、顧客リストから重複する顧客名を排除してユニークな顧客だけを抽出したい場合、手作業で行うと時間がかかりますが、UNIQUE関数を使えば瞬時に完了します。
一般的な書き方のサンプル
- 単一列の重複排除:=UNIQUE(A1:A100)このコードはA1:A100の範囲から重複する値を除外したユニークな値のリストを返します。
- 複数列の重複排除:=UNIQUE(A1:B100)この場合、A列とB列の組み合わせでユニークな行を抽出します。つまり、A列とB列の両方で重複する行を排除します。
- 行の重複排除:=UNIQUE(A1:C1, TRUE)この式は、横方向(行での処理)の重複を排除します。TRUEパラメータは行で処理することを示します。
これらのサンプルを実際にスプレッドシートに入力して実行すると、重複するデータを排除したユニークなリストや表を得ることができます。これにより、データ分析や整理が格段に楽になります。
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関数の基本構文
UNIQUE関数の基本構文はUNIQUE(array_or_range, [by_col], [exactly_once])です。この関数は指定した範囲から重複する値を除外し、ユニークな値のみを返します。引数by_colをTRUEに設定すると、列に対してユニークな値を抽出します。exactly_onceがTRUEに設定されている場合、1回だけ現れる値のみが返されます。
関数の定義と主な引数
- array_or_range (必須): ユニークな値を抽出する範囲または配列を指定します。
- by_col (オプション): FALSEまたは省略された場合、関数は行を基にユニークな値を抽出します。TRUEに設定された場合、列を基にユニークな値を抽出します。
- exactly_once (オプション): FALSEまたは省略された場合、重複を含まないすべてのユニークな値を返します。TRUEに設定された場合、厳密に1回だけ現れる値を返します。
サンプルコードと出力結果:
- 基本的な使用例 - コード: =UNIQUE(A1:A10)
- 出力結果: A1:A10の範囲から重複を排除したユニークな値のリスト。
 
- コード: 
- 列を基にユニークな値を抽出 - コード: =UNIQUE(A1:C10, TRUE)
- 出力結果: A1:C10の範囲から、列ごとに重複を排除したユニークな値のリスト。
 
- コード: 
- 厳密に1回だけ現れる値を抽出 - コード: =UNIQUE(A1:A10, FALSE, TRUE)
- 出力結果: A1:A10の範囲から、厳密に1回だけ現れるユニークな値のリスト。
 
- コード: 
これらのサンプルコードを使うことで、様々な条件下でのユニークなデータの抽出が可能になります。
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具体的な使用例
- 基本的な使用方法のデモ - 場面: 顧客リストから重複を除去し、ユニークな顧客名のみを抽出したい場合。
- 使用する関数: =UNIQUE(A2:A100)
- この関数を使用すると、A2:A100の範囲内で重複する顧客名を排除し、ユニークな顧客名のリストが生成されます。
 
- 一般的な計算や操作の例 - 場面: 製品リストから、販売された製品の種類のみを抽出したい場合。
- 使用する関数: =UNIQUE(B2:B100)
- 製品リストがB2:B100の範囲にあるとき、この関数を使用して販売された製品のユニークなリストを得ることができます。これにより、どの製品が販売されたかを簡単に確認できます。
 
これらの使用例は、UNIQUE関数がデータの重複を除去し、ユニークな値のリストを生成するためにどのように活用できるかを示しています。データの整理や分析を行う際に、この関数を使うことで作業の効率を大幅に向上させることが可能です。
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初歩的なテクニック
- 簡単な使い方やコツ: UNIQUE関数を使う際は、対象となる範囲や列が正しく選択されていることを確認します。また、データが予期せず変更されないように、関数を使用する範囲は明確に区切りましょう。
- 他の基本関数との組み合わせ:
- SORT関数と組み合わせて、ユニークな値をソート順に並べ替えます。例: =SORT(UNIQUE(A1:A100))
- FILTER関数と組み合わせて、特定の条件に一致するユニークな値のみを抽出します。例: =UNIQUE(FILTER(A1:A100, B1:B100="条件"))
 
- SORT関数と組み合わせて、ユニークな値をソート順に並べ替えます。例: 
- 相性の良い他の関数をリストで表示:
- SORT
- FILTER
- COUNTIF
- ARRAYFORMULA
 
これらのテクニックを使うことで、UNIQUE関数の活用範囲を広げ、より複雑なデータ操作や分析を簡単に行うことができます。特に、SORTやFILTERとの組み合わせは、データを整理し分析する際に非常に便利です。
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高等的なテクニック
- 複雑な条件やデータ構造との連携サンプルと出力結果を1つ - サンプル: 売上データが複数の条件に基づいて集計されており、特定の条件を満たすユニークな製品名のみを抽出したい場合。
- コード: =UNIQUE(FILTER(A2:A100, (B2:B100="電子製品") * (C2:C100>1000)))
- この式は、「電子製品」として分類され、売上が1000を超える製品名のみをユニークに抽出します。
 
- 他の高度な関数との組み合わせアイデアサンプルコードを3つ提示 - QUERYとの組み合わせ: データセットから特定の条件を満たす行を選択し、その中でユニークな値を抽出する。
- =UNIQUE(QUERY(A2:C100, "select A where B='電子製品' and C>1000", 0))
 
- ARRAYFORMULAとの組み合わせ: 複数の計算結果からユニークな値を生成する。
- =UNIQUE(ARRAYFORMULA(A2:A100&B2:B100))
 
- IFとの組み合わせ: 条件に応じて異なる範囲からユニークな値を抽出する。
- =UNIQUE(IF(D2:D100="はい", A2:A100, ""))
 
 
- QUERYとの組み合わせ: データセットから特定の条件を満たす行を選択し、その中でユニークな値を抽出する。
これらの高等的なテクニックを駆使することで、より複雑なデータ処理や条件に基づいたユニークな値の抽出が可能になります。特に、QUERYやARRAYFORMULAといった高度な関数との組み合わせは、大量かつ多様なデータセットの分析に役立ちます。
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便利なシーンでの事例
- ビジネスでの実用的なケーススタディ - 顧客リストの管理: 大量の顧客データから重複を除去し、ユニークな顧客リストを作成。これにより、正確な顧客数を把握し、マーケティング戦略を立てやすくなります。
- 在庫管理: 製品リストから重複を排除し、実際に取り扱っているユニークな製品のリストを生成。在庫の正確な管理と分析が可能になります。
- 売上分析: 販売データから特定期間内に販売されたユニークな製品を抽出し、どの製品がどのくらいの頻度で売れたかを分析。販売戦略の改善に役立てます。
 
- 学業での実用的なケーススタディ - アンケート結果の分析: 多くの回答から重複を排除し、ユニークな回答のみを分析することで、より正確な統計を得ることができます。
- 研究データの処理: 実験データや調査データから重複を除去し、ユニークなデータセットを作成。データの正確な分析や公正な結論の導出に寄与します。
 
- タイムセーブや効率向上の具体的な例 - 手動での重複チェックと比較して、UNIQUE関数を使用することで、大量のデータを瞬時に処理でき、時間の大幅な節約が可能になります。
- データの前処理やクリーニング作業が容易になり、分析やレポート作成にかける時間を削減できます。
 
これらの事例は、UNIQUE関数がビジネスや学業、日々のデータ管理においていかに有用であるかを示しています。時間と労力を節約しつつ、データの正確性を高めることが可能です。
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注意点
- 使用する際の落とし穴や制約 - 範囲選択の誤り: UNIQUE関数を使用する際は、対象となるデータ範囲を正確に選択することが重要です。誤った範囲を選択すると、期待した結果が得られない可能性があります。
- 大量データの処理速度: 非常に大量のデータに対してUNIQUE関数を使用する場合、処理に時間がかかることがあります。データ量が多いときは、処理速度の遅延に注意してください。
 
- めちゃくちゃよくやりがちなミス・ERRORが出る例 - 関数の入力ミス: UNIQUE関数内の引数を誤って入力すると、エラーメッセージが表示されることがあります。特に、TRUEやFALSEの引数を間違えることがあります。
- 結果が想定より多い: UNIQUE関数は指定した範囲内の全てのユニークな値を返しますが、時には想定外の多くの結果が返されることがあります。これは、データ内に想定していなかったユニークな値が多数存在する場合に起こります。
 
- 関数の入力ミス: UNIQUE関数内の引数を誤って入力すると、エラーメッセージが表示されることがあります。特に、
- 類似の関数や代替の関数との違い - FILTER関数との違い:- FILTER関数は特定の条件に基づいてデータをフィルタリングしますが、UNIQUE関数は重複を排除する点で異なります。
- SORT関数との組み合わせ:- SORT関数はデータをソートする機能を提供しますが、ユニークな値を抽出する機能はありません。しかし、- UNIQUE関数と組み合わせることで、ユニークな値をソートして表示することが可能です。
 
これらの注意点を理解し、UNIQUE関数を使用する際にはこれらの点に注意してください。正しい使い方をすることで、データ分析やデータ管理の効率を大幅に向上させることができます。
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使いこなし例
- 悩める登場人物例 - 高山さんは、中小企業のマーケティング担当者。顧客データの管理と分析に毎回多くの時間を費やしていました。
 
- 具体的な悩み - 顧客リストが乱雑で、重複するデータが多数含まれているため、正確なマーケティング分析が難しい。キャンペーンのターゲット顧客選定にも時間がかかり、効率が悪い。
 
- 使いこなせることによるビフォーアフターのストーリー - ビフォー: 高山さんはExcelで顧客リストを手作業で整理し、重複を一つ一つ確認していました。この作業だけで数時間を費やし、その後の分析作業にも影響が出ていました。
- アフター: UNIQUE関数の使い方を学び、Googleスプレッドシートに顧客リストを移行。関数を使って自動的に重複を排除し、ユニークな顧客データのみを抽出することができるようになりました。これにより、顧客リストの整理にかかる時間が大幅に削減され、より多くの時間を分析や戦略立案に充てることができるようになりました。また、マーケティングキャンペーンのターゲット選定も精度が向上し、キャンペーンの成果が以前に比べて明らかに良くなりました。
 
このように、UNIQUE関数を使いこなすことで、データ管理と分析の効率が大幅に向上し、ビジネスの成果に直結するような改善を実現できるようになります。

